ゲームや映像、テレビ、建築、その他多種多様な業界で注目が高まっているUnreal Engine5のインストール手順を解説します。
インストール前の確認事項
UE5をインストールする前に、以下の3点について確認しましょう。
PCのスペック
UE5の推奨スペックは以下の通り。※最新情報は公式サイトを確認してください。
- オペレーティング システム Windows 10 64 ビット バージョン 1909 リビジョン .1350 以降、またはバージョン 2004 および 20H2 リビジョン .789 以降
- プロセッサ クワッドコア Intel または AMD (2.5 GHz またはそれ以上)
- メモリ 8GB RAM
- グラフィック カード 最新ドライバを使用する DirectX 11 または 12 対応のグラフィック カード

ただし、これらは最小スペックです。ゲーム開発やデータ作成を満足に行うためにはこれ以上のスペックが求められます。目的に応じたスペックを整えましょう。
PCの空き容量
UE5はインストールするために120GBほどの容量が必要になります。
空き容量を確認してからインストールを行いましょう。
Unreal Engineのバージョン
Unreal Engineは複数のバージョンが存在します。バージョンが異なると、互換性がなかったり、プラグインや機能、UI等が変更されていたりします。インストール前に使用したいバージョンを確認しておきましょう。※UE4とUE5を同時にインストールも可能です。
Unreal Engine5をインストールする
Unreal Engine5をインストールするための手順を解説します。
Epic Games Launcherのインストール
①Epic Gamesのウェブサイトにアクセスし、右上の「ダウンロード」をクリックします。

②「ランチャーをダウンロードする」をクリックします。

③ダウンロードしたランチャーをダブルクリックして起動します。
④Epic Games Launcherのインストール先を指定し「インストール」をクリックします。

Epic Games アカウントの作成
①Epic Games Launcher又は、Epic Gamesのウェブサイトの右上サインインから、メールアドレスを入力し「続ける」をクリックします。

②必要事項を入力し、サインアップします。
サインアップ完了後、Epic Games のウィンドウが立ち上げできるようになります。
Unreal Engine 5 をインストール

①Epic Gamesを立ち上げ、メニュー欄の「ライブラリ」をクリックします。
②Engine バージョン横の「+」をクリックします。

③追加されたインストールスロットの「▼」ボタンをクリックし、インストールするバージョンを指定した後、「インストール」をクリックします。

※バージョン5.X.YのYの部分は、最初は0のみが表示されます。
5.X.0を指定しインストールをクリックすると、5.X.Yのが選択できるようになります。
Xは更新されるバージョン数、Yは都度更新されるパッチ差分数を示しています。
④Unreal® Engine価格オプションの詳細を確認し、「承諾」をクリックします。
エンドユーザーライセンス契約書も確認しチェックを入れて「同意」をクリックします。
⑤UE5のインストール先を指定し、インストールをクリックします。

上記のオプション欄からインストールオプションのダイアログを開くことができます。
インストール内容と対応プラットフォームの詳細を設定することができます。

初めてのUEを触る人は、「スターターコンテンツ」「テンプレートとおすすめパック」「エンジンソース」の3点にチェックが入っていることを確認しましょう。
⑥初インストール時は、インストール完了直後に以下のポップアップが表示されます。

『プロジェクトファイルが関連付けられていません
.uprojectファイルはこのLauncherに関連付けられていません。今すぐ関連付けますか?』
こちらは「今すぐ修正する」をクリックします。
UE5のプロジェクトファイルの拡張子「.uproject」がUE5と関連付けられるようになります。
⑦インストール完了後に、スロットのボタンが「起動」に代わっていたら完了です。
Unreal Engine5のプロジェクト作成
Unreal Engine5では、作成した1つのゲームや映像をプロジェクトという表現で数えます。1つのプロジェクトに関わるデータは、プロジェクトフォルダ内で管理されていきます。また、プロジェクトフォルダ内の「.uproject」データをダブルクリックすることで対応バージョンのUE5を起動できるようになります。
以下にプロジェクトの作成方法を解説します。
プロジェクトの種類の選択
①Epic Gamesを起動し、メニュー欄の「ライブラリ」からインストールしたUE5スロットの「起動」ボタンをクリックする。※クリック後の読み込みに時間がかかります。
②読み込みが完了すると、プロジェクトブラウザが立ち上がります。

プロジェクトブラウザはプロジェクトの新規作成や既存プロジェクトの管理を行う画面です。
ここから目的に応じたプロジェクトの種類を選択します。
以下に各プロジェクトの概要を記載します。
ジャンル | プロジェクト種類 | 内容 |
---|---|---|
最近使用したプロジェクト | 最近作成したプロジェクトを開く際は、ここから選択し開くことができます。 | |
ゲーム | ブランク | コードが入っていない、空のプロジェクトです。 |
ファーストパーソン | 1人称(FPS)視点のゲームプロジェクトです。 | |
サードパーソン | キャラの後ろと少し上にカメラが配置される(TPS)視点のゲームプロジェクトです。 UE5ラーニングにおすすめのプロジェクト。 | |
トップダウン | キャラ背後&TPSより遠方にカメラが配置されるゲームプロジェクトです。 | |
携帯AR | スマホ向けの拡張現実アプリ作成プロジェクトです。 | |
バーチャルリアリティ | VRゲームのプロジェクトです。 | |
ビークル | 乗り物系(レーシング)ゲームのプロジェクトです。 | |
映画、テレビ、 ライブイベント | ブランク | 最小限の機能のみの空のテンプレートです。 |
バーチャルプロダクション | VRスカウティング、バーチャルカメラ、SDIビデオ、ライブコンポジット、nDisplayのための機能が含まれたテンプレートです。 | |
DMX | ライブイベントのプリビズとバーチャルプロダクションワークフローのためのテンプレートです。 | |
インカメラVFX | ライブ アクションによる映像の撮影中にリアルタイム ビジュアル エフェクトを撮影するためのテンプレートです。前景の出演者とバーチャルな背景をシームレスに統合します。 | |
nDisplay | PCクラスタを使ったマルチディスプレイ機能のテンプレートです。 | |
建築 | ブランク | 最小限の機能のみの空のテンプレートです。 |
建築ビジュアライゼーション | 建築ビジュアライゼーション向けテンプレートです。 | |
デザインコンフィギュレーター | オブジェクトの可視性の切り替え、アニメーションシーケンスの呼び出し、支店変更、デザイン設定の切り替えができるテンプレートです。 | |
Collab Viewer | 様々なプラットフォームのためのナビケーションとインタラクションが提供されているテンプレートです。 | |
携帯AR | スマホ向けの拡張現実アプリ作成プロジェクトです。 | |
自動車、プロダクトデザイン、構造 | ブランク | 最小限の機能のみの空のテンプレートです。 |
フォトスタジオ | 製品のプレゼンテーション及びシネマティックスをフォトスタジオ環境で製作できるテンプレートです。 | |
製品コンフィギュレーター | 凡庸的な製品コンフィギュレーターを構築できるテンプレートです。 | |
Collab Viewer | 様々なプラットフォームのためのナビケーションとインタラクションが提供されているテンプレートです。 | |
携帯AR | スマホ向けの拡張現実アプリ作成プロジェクトです。 | |
シミュレーション | シミュレーションフランク | 初期設定とプラグインを有効にするシンプルな空のプロジェクトです。シミュレーションアプリケーションを始めるのに適しています。 |
携帯AR | スマホ向けの拡張現実アプリ作成プロジェクトです。 | |
バーチャルリアリティ | VR向けテンプレートです。 |
ここでは、ゲーム>ブランクを選択した想定で解説を進めます。
プロジェクトの初期設定
プロジェクトブラウザにて任意のテンプレートを選択したら、画面右側のプロジェクトデフォルトを設定していきます。

設定内容は以下の通りです。
①「ブループリントorC++」は、ブループリントかC++プロジェクトを作成するかを選択します。
後からブループリントにC++を追加したり、C++にブループリントを追加することもできます。
ブループリントを扱う場合や、C++を扱えない場合は、「ブループリント」を選択します。
②「プラットフォーム」では、どのハードウェア向けのプロジェクトかを設定します。
PC向けの場合は「Desktop」、モバイル又はタブレット向けは「Mobile」を選択します。
③「品質プリセット」では、開発PC環境に合わせて「Maximum:最高品質」か「Scalable:可変品質」を選びます。PCでは「Maximum:最高品質」、モバイルでは「Scalable:可変品質」に設定することが多いです。判断できない場合は、「Scalable:可変品質」を選びましょう。
④「スターターコンテンツ」はプロジェクトの初期素材アセットの詰め合わせが使える設定です。必要時チェックを入れましょう。
※選択できない場合は追加ダウンロードを行いましょう。
①Epic Gamesを再起動し、UE5スロットの「起動」ボタン右の▼をクリック。
②「オプション」を選択しインストールオプションの「スターターコンテンツ」をチェック。
③「適応」をクリックし、再ダウンロードを行います。
ダウンロード完了後に【プロジェクトの種類の選択】からやり直しをしましょう。
⑤「レイトレーシング」はリアルにレンダリングを行うための機能です。重くなりやすいので基本的にオフのままで設定します。
プロジェクト保存場所の設定
画面下の「プロジェクトの場所」にてプロジェクトフォルダの保存場所を指定し、「プロジェクト名」にてプロジェクト名(保存フォルダ名)を設定し、「作成」ボタンをクリックします。

ロードが終わり次第、UE5のプロジェクトが開きます。
その他、UE5起動周りの設定
UEプロジェクトのショートカットの作成
デスクトップにUE5プロジェクト起動用のショートカットを作成します。
①Epic Gamesを起動し、メニュー欄の「ライブラリ」を選択します。
②「マイプロジェクト」から新規作成したプロジェクトを右クリックします。
③「ショートカットの作成」を選択し、ユーザーアカウント制御のポップアップが出現したら、「はい」をクリックします。
プロジェクト起動時のサムネイル画像変更
デフォルトでは、プロジェクト起動時に以下の画像が表示される設定になっています。

プロジェクト立ち上げ時に判別しやすいよう、サムネイル画像を変更する方法を解説します。
①プロジェクトを起動しツールバーの一番右側の「設定」>「プロジェクト設定」をクリックします。
②左側カテゴリ一覧の中から、「プラットフォーム」>「windows」をクリックします。
③「Splash」>「エディタスプラッシュ」と「ゲームスプラッシュ」欄の3点線をクリックします。
④任意のサムネイル画像を指定します。
⑤プロジェクト設定を閉じてUR5を再起動し、画像が任意の画像に変更されていたら完了です。
作成プロジェクトの削除
作成したプロジェクトの削除方法を解説します。
①UE関連のアプリケーションをすべて閉じます。
②プロジェクトの「.uproject」が格納されている1階層上のプロジェクトフォルダを削除します。
※フォルダの場所が分からない場合は、Epic Gamesを起動し、メニュー欄の「ライブラリ」からインストールしたUE5スロットの「起動」ボタンをクリックし【プロジェクトブラウザ】を起動。「最近使用したプロジェクト」から消したいプロジェクトを右クリック。「エクスプローラーで表示する」を選択することでフォルダ場所を特定できます。
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